フランス国立科学研究センター(CNRS)
放射性廃棄物のドラム缶で本当に問題なのは、そこから漏れ出すものだ
フランスの科学調査隊は、深さ4 700メートルでひどく劣化した放射性廃棄物のドラム缶を観察し、その一部が中身を流出させていることを確認した。水、堆積物、生物のサンプル採取によって、放射性核種が深海の生態系を移動しているかどうかが明らかになるはずだ。問題はこうして、ドラム缶の場所から、そこから何が放出され、どのように監視するかへと移った。
2025年のNODSSUM第1次調査が主に答えたのは、地図上の問いだった。北東大西洋に投棄されたドラム缶はどこにあるのか。第2次調査では、視点が移った。深さ4 700メートルを超える海底で、科学者たちは複数のドラム缶とその周辺環境を直接観察した。一部はひどく劣化し、海底に物質を流出させていた。
したがって決定的な点は、投棄場所の位置だけではない。ドラム缶から何が放出され、それらの物質が水や堆積物、生物の中をどう移動するかである。
閉じたままではない投棄場所
1950年から1990年にかけて、20万本を超える放射性廃棄物のドラム缶が北東大西洋の深海に投棄された。その深さから、これらの廃棄物は生物の世界から隔てられているように思えるかもしれない。しかし、海中に沈められた容器は永遠の障壁ではない。材料の腐食や劣化によって、中身が外へ出る経路が生じることがある。
ただし、廃棄物の近くに放射性核種、つまり放射性の原子が存在するだけでは、それが生態系の食物連鎖に入ったことも、その影響も測定できない。水中に移行するのか、堆積物に付着するのか、生物に吸収されるのかを知る必要がある。
深海でこれを観察するのは難しい。チームは現場まで降下し、サンプルを採取し、局所的な堆積物と拡散を区別できる測定を行わなければならない。
ドラム缶から出てくるものを見る
2026年5月27日から6月28日に実施されたNodssum 2026ミッションには、約30人の科学者がPourquoi Pas ?に乗船した。有人人潜水艇Nautileは20回の潜水を行った。チームは樹脂、アスファルト、セメントによるさまざまな固化材を特定し、ドラム缶の状態とその周囲の海底を観察した。
複数のドラム缶には、かなり進んだ劣化が見られた。一部は海底に中身を流出させていた。現場で行われた測定によって、廃棄物に特徴的な放射性核種が、この海域で予想される値を上回る放射能レベルで存在することが確認された。CNRSは、これらのレベルであれば、放射線防護上の大きな制約なしにサンプルを扱えると説明している。これは科学者の作業条件を示すものだが、生態系への影響についてまだ結論を出せるわけではない。
そこでチームは、水、堆積物、生物を採取した。これらのサンプルによって、物質から深海環境に至る放射能の移動を追跡できるはずだ。「著しい劣化を示すドラム缶、周囲の海底への物質の流出、堆積物のサンプリング装置」と、ミッションの図2は説明している。

移行をもとにした判断
研究室での分析は、今後数か月にわたって続く。目的は、測定された放射性核種を、ドラム缶の材料、堆積物、水、採取した生物と結びつけることだ。その後、こうした移行と深海の生態系への影響を定量化する必要がある。
こうしたつながりが確認されれば、監視はサイトの地図だけに基づくものではなくなる。原子力安全と海洋監視を担う当局は、検査の対象を絞り込むためのデータを得ることになる。こうした古い廃棄物に関する判断では、歴史的な場所だけでなく、ドラム缶と生態系の実際の状態を考慮できるようになる。
これは可能性であって、確定した結果ではない。移行が確認されれば、深さと希釈だけでは問題を解決するのに十分ではない。その規模を測定し、影響を理解する必要がなお残っている。